【解説】マリコレ版スーパーマリオ64はRTAで使えるのか

環境・ツールSwitch,仕様

【追記】マリコレ版が無線N64コンに対応したので、その情報を追記しました。

2020年9月18日にNintendo Switch用ソフト『スーパーマリオ 3Dコレクション』が発売されました。

このソフトには『スーパーマリオ64(以下マリコレ版マリオ64)』が入っていますが、果たしてこれがRTAで使えるのでしょうか――本記事にて、その答えを解説します。

【参考】Switch版に関するページは『環境・ツール』の『Switch版関連のページ』にまとめてあります。

結論: ケツワープ必須のカテゴリはできない

発売前から噂されていた通り、マリコレ版マリオ64は日本語振動版がベースとなっていました。

日本語振動版では、後ろ向きの幅跳びで超加速する技『ケツワープ(BLJとも言う)』ができません。言い換えると、ケツワープ必須のカテゴリは全てできないことになります。

以上より、マリコレ版マリオ64でできる・できないカテゴリは具体的に以下となります。

  • できる: 70枚RTA・120枚RTA
  • できない: 0/1枚RTA・16枚RTA・31枚RTA・45枚RTAなど

blj
▲マリコレ版ではできない例. ケツワープで無限階段を抜ける

マリコレ版で70枚・120枚RTAをする時の注意点

実は『ケツワープができる・できない』以外にも、初期版と振動版には違いがあり、その違いがRTAで悪さをすることもあります。

※詳しくはこちら → 『各バージョンの特徴まとめ

「マリコレ版で70枚・120枚RTAをやってみたい!」という方に向けて、ルートなどを覚える際に気を付けるべき点を以下にまとめます。

1. 木やポールなどの掴まり方が異なる

マリコレ版マリオ64では、木やポールに掴まる時にくるりと回ります。RTAではこの仕様が悪さをすることがあります。

rom-version-20

一番分かりやすいのが『バッタンキングのとりで』の最初のアプローチ。

初期版では『幅跳びで木に掴まる → すぐに木から離れる』というアプローチを使いますが、マリコレ版ではこれができません。理由は、先で説明した仕様によって、木を掴んだ後のマリオの向きが変わるからです。

そのため、『木を使わないアプローチを使う』など、変更する必要が出てきます。

2. ケツワープ(BLJ)ができない

先のセクションで紹介した通り、マリコレ版マリオ64ではケツワープができません。

70枚RTAはルール上『ケツワープ禁止』なので問題無いのですが、120枚RTAではごく一部でケツワープを使うので、その部分をケツワープ無しに変える必要があります。

以下に、120枚RTAでケツワープを使用する箇所とその代替をまとめます。

 

(1) LBLJ(ロビーBLJ)

  • LBLJとは: 最初にロビーでBLJする技 (『やみのせかいのクッパ』から攻略することになる)
  • 代替: 素直に『ボムへいのせんじょう』から攻略する

common-technique-name-lblj

 

(2) やみにとけるどうくつ ムシャーナ

  • ムシャーナとは: 上下エレベータでBLJし金網を抜ける技
  • 代替: BLJ無しのルートを使う (詳細『ケムリめいろをぬけて』)

common-technique-name-hmc2

 

(3) やみにとけるどうくつ 100枚BLJルート

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(4) 50枚スター扉BLJ

  • 50枚スター扉BLJとは: 50枚スター扉をBLJで抜ける技
  • 代替: 素直に50枚スターを開放する

switch-version-for-rta-50blj

3. くぼみ入力の再現は十字キーで可能だが…

N64コン(or GCコンなど)には、3Dスティックに八角形のくぼみがあり、RTAではこのくぼみにはめる入力をよく使います。くぼみにはめるとスティックの操作が安定するためです。

3Dstick

しかし、Switchのコントローラの3Dスティックにはこのくぼみがありません。そのため、マリオの操作が安定しにくいというデメリットがあります。

一応、3Dスティックの下にある十字キーを使うことでくぼみ入力を再現できますが、3Dスティック⇔十字キーを交互に入力する羽目になり忙しくなるので、『どこでどちらを使うか』を考えてルートを学ぶ必要が出てきます。

4. Cボタン同時押しが超難しい

マリオ64のRTAでは、Cボタン2つを同時に押して視点を変えるとその後が楽になるパートが多々あります。

この『Cボタン2つ同時押し』をマリコレ版マリオ64で再現する場合、Cスティックでジャスト斜めに入力する必要があるのですが、これが超難しく、大半の場合で1ボタン分しか反応しません。

この点は結構なデメリットになると思います。

補足. 処理落ちが無い

マリコレ版マリオ64は、N64と違い、処理落ち(ゲームが重くなる現象)がありません。

処理落ちが無いことを実感しやすいのは、『ウォーターランド』の潜水艦付近でしょうか。

当サイトの『スター解説』では、処理落ち回避を含めた操作を解説していますが、マリコレ版ではこれらは不要なので無視してください。

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追記: 無線N64コンってどうなの?

2021年11月4日にNSO版マリオ64で使える『無線N64コントローラ』がマリコレ版にも対応しました。これにより、3.と4.の問題は解消されます。(公式ページはこちら)

しかし、実際に試した感想としては、入力遅延が大きいために『RTAしやすくなる』という感じはありませんでした。

なので、本格的にマリオ64RTAをやりたい方は、『無線N64コントローラ』を追加で買うよりも実機環境を揃えることをオススメします。

なお、具体的な遅延量などに関しては『マリオ64RTAを始めたいけどSwitch Online版ってどうなの?という方向けの解説』で紹介しているので、こちらをご覧ください。

むすび

今回は『RTAで使えるかどうか』という観点からマリコレ版マリオ64を解説しました。残念ながら、マリコレ版はRTAに向かないことが分かったと思います。

ただ、『テキスト内のボタンの表記がSwitch用に変わっている』といった細かい変更はあるようなので、こういった変更点を探してみるのも楽しみ方のひとつかもしれません。

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▲N64版だと「Aボタンがジャンプ、Bボタンでこうげき」だが、マリコレ版では「Bボタンがジャンプ、Yボタンでこうげき」

最後に、誤解のないように話しておくと、マリコレ版でもケツワープを使わないRTA技は基本全てできます。

以下のページに『初見プレイでもできるRTA技』をまとめていますので、ぜひ試してみてください。