【マリオ64 RTA】LLL 火山インまでで1フレーム更新するために行なった考察を語る

考察ファイアバブルランド

2019年2月。ultimate sheetの記録更新告知に『ファイアバブルランド 火山イン 8.10秒 by ikori氏』という記録が流れてきた。

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120枚idealrunのタイムは8.13秒なので、それと比べて1フレーム速いことになる。

「どこで差がついているんだろう」

――こんな疑問を持った私は、アナウンスされた8.10秒の動画(以下、ikori氏の動画と呼ぶ)を参考にしながら、1フレーム更新するために考察をしてみたわけだ。

今回はその考察を語ることにする。

なお、RTAにおける火山インは『最初に真っすぐ二段ダイブする』というのが一般的なので、このアプローチを前提とした考察となっている。

火山イン手前のジャンプダイブの確認

最初に火山イン手前で初めてジャンプダイブが出たタイムを確認した。ikori氏の動画が1枚目の画像、120枚idealrunが2枚目の画像となっている。

※1枚目は29.97fpsでのタイムであり、IGTで言うと7.13秒になる。

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  • ikori氏の動画: 7.13秒
  • 120枚idealrun: 7.16秒

上記比較から、この段階で既に1フレームの差があることが分かった。

続いて確認したのが、回転床において、幅跳びから歩きに変わる初フレームのタイムである。

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どちらも7.10秒で歩き始めていることが分かる。

つまり、歩き始め~ジャンプダイブを出すまでの間で、ikori氏の動画のほうが1フレーム少ないことが分かる。

私はこの考察の後、「ジャンプダイブの角度が悪いのかな?」と安易に考え、ジャンプダイブの部分を修正することにした。

しかし、何度やっても1フレーム速く火山に入ることができない。

結論から言うと、1フレーム更新することはそんな簡単な話じゃなかったのである。

ジャンプダイブを出す時点でのマリオの影に着目

「ジャンプダイブの角度じゃないな」と思った私は、次に「ikori氏の動画のほうがマリオがより先に(奥に)進んでいるのではないか?」と疑い、マリオの位置を確認する。

7.10秒のマリオの影の位置を見てほしいので、その部分を拡大する。(1枚目がikori氏の動画、2枚目が120枚idealrun)

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私はこれを見て、「疑った通りの結果(マリオが先に進んでいる)かもしれないな」と9割方確信した。

その理由は以下となる。

  • 黒い線の模様は左上斜めを向いているため、黒い線の左側ほどより奥の位置にある。
  • ikori氏の動画では、120枚idealrunに比べて少し左側のポジションになっているので、より奥に行けているということになる。

逆再生してみる

より先に進めているということは、どこかのパートでより先に進めている場所があるということだ。

それを探すには、幅跳び着地時点から逆再生するのが手っ取り早いと思い、実際にそれを行なってみた。

最初に見たのは回転リング床へ幅跳びを出したフレームだ。

どちらも5.73秒だったが、微妙に影の位置が違うことに気づく。

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  • ikori氏の動画: 灰色の足場の一番上の模様に影がすっぽり入っている
  • 120枚idealrun: 灰色の足場の一番上の模様より少しだけ手前の位置

つまり、この時点でもikori氏の動画のほうが先に進めていることになる。

こんな感じで逆再生していき、進展があったのが次のセクションで紹介するパートとなる。

実は最初の段階から差が出ていた!

進展があったのは最初の幅跳びパートである。以下が幅跳び開始地点と終了地点となっている。

■ ikori氏の動画

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■ 120枚idealrun

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  • ikori氏の動画: 3.53秒で幅跳び → 4.73秒で歩き出し
  • 120枚idealrun: 3.50秒で幅跳び → 4.73秒で歩き出し
  • どちらとも3.33秒で2段ダイブ復帰を終えているので、幅跳びの手前の段階まではタイム差は無し

ikori氏の動画のほうが1フレーム幅跳びが遅いのに、歩き出しは同じタイムであることが分かる。

また、幅跳び開始時点のマリオの影を注意深く見てみると、ikori氏の動画のほうがより左側で幅跳びを出せているようだった。

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普通に考えるならば、

『1フレームロスらせて幅跳びを出す → 幅跳び後の歩き出しが1フレーム遅くなる』

となるはずだろう。しかしそうなってはいない。

なぜ、このような現象が起こったのかを、以下の絵を使って考えてみた。

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真っ先に思いついたのは「幅跳びを1フレームロスらせている分奥に行っている=幅跳び着地足場側に寄っているから、着地でロスにならないのでは?」という予想だ。

ライン取りを描くと以下となる。赤い線が120idealrunのライン取りで、青い線がikori氏の動画のライン取りである。

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青い線はより右(青丸)で幅跳びを出している分、幅跳び着地足場側に寄っているのが分かると思う。「これなら着地まで1フレーム速くなって相殺し合うのでは」と考えた。

――が、実際に試してみたところ、残念ながらこの予想は外れていて、『幅跳びで1フレームロスらせれば、その分幅跳び着地も1フレーム遅くなる』という当たり前の結果となった。

この結果を得た私は、「単純に幅跳び開始時点でikori氏の動画のほうが1フレーム分速いのだろう」と考え、もう少し逆再生を続けることにしたわけだ。

違いは二段ダイブ復帰の距離にあった!

先で話したが、最初の二段ダイブ復帰のタイミングはどちらの動画も全く同じタイムとなっている。

「同じタイムならマリオの位置も同じだろう」、こう決めつけていたのだが……。

逆再生を続けてみたところ、3.26秒でのマリオの位置が微妙に違うことに気づいたのだ。

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ikori氏の動画はマリオの影が足場の上に、120枚idealrunはマグマの上に乗っていることが分かる。

つまり、ikori氏の動画のほうが半マリオ程度だけ先に進めていることになる。

どうしてこんなことが起こるのだろうか――この理由はとても簡単で、『二段ダイブ復帰の際により速くダイブを出して距離を伸ばしているから』だった。

一般的に、ジャンプ中のダイブは、より速くダイブを出すほど距離を伸ばすことができる。

ikori氏の動画と120枚idealrunのダイブを出すタイムを確認してみると……。

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最初のQJKを出すタイムは1.43秒で一緒なので、ダイブのタイミングだけが1フレーム違っていたのである。

この1フレームの違いで、ikori氏の動画のほうが距離を伸ばせていることが分かった。

以下が歩き出しのフレームで、ikori氏の動画はカメラ手前側に足場が映っていないのに対し、120枚idealrunではカメラ手前側に足場が映っているのが分かる。

この画面からも、ikori氏の動画のほうが距離を伸ばせていることが分かるだろう。

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以上の考察をもとにタスを作ってみたところ、無事に『火山イン 8.10秒』を出すことができた。

むすび

今回の考察から『ファイアバブルランドの最初の二段ダイブは、より速めにダイブを出したほうが良い』ということを学ぶことができた。

この学びは『かざんのパワースター』『かざんのリフトツアー』『コロコロまるたわたり(サイホーン)』の3スターで活かせると思うので、ぜひマスターして使ってみてほしい。