【マリオ64 RTA】『CCM100枚レースで速いタイムを出す方法』の解説の解説をする

解説さむいさむいマウンテン,仕様

2020年1月22日。

私は『さむいさむいマウンテン ペンギンチャンピオンレース+100枚コイン(CCM100枚レース)で速いタイムを出す方法』の英語の動画をアップした。

詳細(日本語)は『【調査レポート】CCM ペンギンレース』に書いたのだが、これを読んでも「よく分からん」となった方がいるかもしれない。

今回は、そういう方のために、要点だけに絞って『CCM100枚レースで速いタイムを出す方法』を解説する。(つまり、解説の解説となる)

大前提は以下の2つ

ペンギンは乱数を持たないこと

仕様を読み解いた限りでは、ペンギンは乱数を持たないことが分かった。

ただ、仕様を見落としている可能性もあるので、ステージIN時の乱数値を変えてタスを流して「本当にペンギンは乱数を持たないのか」を調べた。

結果は、見ての通り『ペンギンは乱数を持たない』

言い換えると、『ペンギンレースは実力でタイムを速くすることができる』ということになる。

『通常ルート(101枚ルート)』と『atmpas specialルート』で話が全く違うこと

大半のプレイヤーが使用する通常ルート(101枚ルート)は、レース中必ず一度はペンギンが追い付いてくる場面がある。

一方、atmpas specialルートは、ペンギンが追い付いてくる場面がない。

この違いから、この2つのルートにおける速いタイムの出し方が大きく変わってくるのだ。この後、各ルートごとに要点を説明する。

通常ルート(101枚ルート)で覚えておくこと

このルートで覚えておくことは以下5つある。

ペンギンがPT=35を通過する時、ペンギンの速度が高いほどペンギンのゴールが速くなる(≒スタータイムが速くなる)

ペンギンの仕様と実際のルートを組み合わせて考えると『ペンギンがPT=35を通過する時、ペンギンの速度が高いほどペンギンのゴールが速くなること』が分かった。

“PT"というのはチェックポイントのこと。スライダーの最初が"PT=0″で、最後が"PT=51″となっていて、"PT=35″はスライダー終盤にあたる。(以下の画像)

ccm_penguin_pt35 pt_35_resized

RTAにおいて大事なのは、この事実を踏まえた先にある「PT=35でペンギンの速度を高くするにはどうしたらいいの?」という話である。

なぜ、ペンギンがPT=35を通過する時、ペンギンの速度が高いほどペンギンのゴールが速くなる(≒スタータイムが速くなる)かを知りたい方は、『【調査レポート】CCM ペンギンレース』を読んでほしい。

PT=35でペンギンの速度を高くするために5枚コイン列で遅延させること

「PT=35でペンギンの速度を高くするにはどうしたらいいの?」に対する答えが「5枚コイン列で遅延させる」というものだ。

具体的には以下のように遅延させる。(これはあくまでひとつの方法なので、他に良い方法があったら教えてほしい)

(1) 5枚コイン列の1枚目の前ぐらいからスティック無入力

ccm100race_16

(2) 5枚コイン列の4枚目あたりでスティック真左、以降は同じ

ccm100race_17

ただし、この遅延だけができていればペンギンの速度を調整できるわけではなく、

– 5枚コイン列後ペンギンに抜かれてはいけない
– 5枚コイン列まで速すぎるとここで遅延させても失敗する

という注意点があるのでこれも覚えておいてほしい。

5枚コイン列まで速すぎてもダメ!

5枚コイン列まで速すぎた場合、5枚コイン列で遅延させてもペンギンの速度が落ち切らずに調整が失敗に終わってしまう。

これを防ぐには、最初話しかけのところでジャンプダイブを使った後、ほどよく最適化して滑るのが良いと私は考えている。

※最初斜めスライディングを使うとコインアーチまで速くたどり着けるのだが、滑るのが速すぎて速度調整に失敗する確率が上がる。

ccm-star3-100c-1 ccm-star3-100c-2

速度調整がうまくいったかどうかを見極める方法があること

以下の4つのシーンを覚えておくだけで良い。(確認できたのは成功パターンが1つ、失敗パターンが3つ)

■成功パターン: 79(80)枚目あたりでペンギンが画面に映ったら成功

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■失敗パターン1: 長いコイン列を終えた後のカーブでペンギンが画面に映ったら失敗

ccm100race_22

■失敗パターン2: 15枚コイン列以降でペンギンが一度も画面に映らなかったら失敗

ccm100race_23 ccm100race_24

■失敗パターン3: 15枚コイン列でペンギンが後ろにいたら失敗

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ペンギンがゴールした後~話しかけられるまでに1フレーム誤差があること

ペンギンはゴールした後に正面の壁に激突するが、この時のペンギンの角度(顔向き)で話しかけられるまでに差が出てくる。(通常ルートの場合は誤差1フレーム)

しかし、ペンギンの角度は今までの道のりのペンギンの速度に依存していて、人間では調整不可能なので無視していいと思う。

こういう事実があることだけ覚えておいてほしい。

atmpas specialルートで覚えておくこと

この場合で覚えておくことは以下4つある。

このルートでは速く滑れば滑るほどタイムが速くなること

言葉の通りである。

このルートではペンギンに追い抜かれる場面がないので、速く滑れば滑るほどタイムが速くなる(ペンギンの軌道の関係もあるので完全な比例にはならないが)。

ショートカット前でスタータイムがほぼ確定すること

このルートでは、ショートカット前でペンギンのspeed targetが150に達するため、以降は最適化して滑っていればタイムがブレることはない。

逆に言うと、ショートカット前まででどれだけ速く滑れるかでほぼおおよそのタイムが決まってしまうので、こちらを一番に意識する必要がある。

一番大事なのはアーチ状コインまわり!

アーチ状コインまわりが一番タイム差が出やすいので、ここの最適化を覚えておいたほうが良い。速いやり方は以下。(これは通常ルートでも同じようにしたほうが良い)

(1) [アーチ前] 左から右へ行くライン取りにする

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(2) [アーチジャンプ時] 左から右へ行くライン取りにし、最小ジャンプ(Aボタンを4フレーム押すジャンプ)にする

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(3) [ジャンプ着地時] 中央から右に着地した上で速度を残せるのがベストである

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ペンギンがゴールした後~話しかけられるまでに7フレーム誤差があること

ペンギンはゴールした後に正面の壁に激突するが、この時のペンギンの角度(顔向き)で話しかけられるまでに差が出てくる。(通常ルートと話が全く同じ話)

atmpas specialの場合は7フレームの差を確認できた。(人間では調整不可能)

こういう事実があることだけ覚えておいてほしい。

むすび

マリオ64のRTAでは、ほとんどのルートの更新案が目で見て理解できるレベルなので、ルートを理解する上で『仕様』の話が出てくることは基本的に無い。

それがゆえに今回のような話は理解するのが難しいと思うが、「なぜそれが最適なの?」を理解していないと良いタイムを出すことは難しいので、なんとかして理解してほしいと思っている。

海外では「なぜそれが最適なの?」を理解せずやり方だけを覚えて試した結果、「速くならなかった」とか「やっても意味がない」とか言い出す人もいるが、『仕様』から導き出している以上、プラシーボでも嘘でもないので、安心して使ってみてほしい。

ちなみに、今回の方法を使えば、(スライダー内部だけのタイムで)通常ルートなら55.5秒切り、atmpas specialなら50.0秒切りは安定するはずだ。

これらの目安タイムは実際に試した結果から得られたタイムで、何も考えずにやるより0.2秒~1秒程度は速いタイムとなっている。

サルでもできるような難易度なので、普通に取り入れたほうが良いと思う。