【マリオ64 RTA】なぜ計測方法は『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』なのか

解説歴史

スーパーマリオ64のspeedrun.comを見ると「For precise retiming, the first frame of the Super Mario 64 logo should appear at 1.33 seconds. 」とルールに書かれています。

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日本語で読み替えると、「初めてマリオ64のロゴが表示されたのを1.33秒としてください」というルールになります。

以下の1枚目がロゴが初めて表示されたフレーム(真ん中に超小さく映っています)で、2枚目がマリオ64のロゴです。

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最近マリオ64RTAを始めた人は「どうしてこんな計測ルールがあるんだろう」と思ったかもしれません。

今回はそんな方のために、この計測方法の由来を話します。

2012年頃、電源投入スタートが主流に!

2011年頃までは、リセットボタンのしましま(以下の画像)が消えたらタイマーをスタートしていました。

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その主な理由は、

「他のプレイヤーがリセットボタンからスタートしているから真似した」
「電源の入れ直しはON/OFFで2アクション必要だけど、リセットボタンなら1アクションで済む」

こんな感じだったと思います。

誰もが疑うことなくリセットボタンからスタートしていたわけですが、2012年頃、とあるプレイヤーが

「リセットボタンよりも電源投入でスタートしたほうが速いぞ!」

ということに気づいたのです。

比較したのが以下の動画で、電源投入のほうが0.6秒程度速いことが分かると思います。

この事実が判明して以降は、「電源投入に変えるだけでタイム短縮できるなら」と考えるプレイヤーが増え、『電源投入スタート』が主流となりました。

2014年(?)頃、『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』ルールの登場

『電源投入スタート』が主流になった時代。

大半のプレイヤーが『GV-USB2』というキャプチャーボードを使っていて、青画面から初めて黒画面になったフレームを1フレーム目として計測するのが一般的でした。

この計測法の場合、初めてマリオ64のロゴが表示されるのが1.33秒となります。(以下の画像は120枚Ideal Runの動画から)

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全員が『電源投入スタート』なら同じ条件下で勝負することになるので、一見良さそうに思えたのですが……、問題が起こったのです。

それは『別のキャプチャーボードで同じような計測の仕方をすると、1.33秒よりも速くロゴが表示される』という問題です。

この問題が見つかった後、

「キャプチャーボードも速いやつを使わないとダメってこと? プレイ技術を競うのがRTAなのに、環境でタイム差が出るのは合理的ではない気がする。」
「そもそも、『プレイ技術を競う』という観点なら、リセットボタンと電源投入を意識するのも変な話だよね。」
「同じ条件下で勝負するなら、『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』にしたほうが良くない?」

のような感じで、懐疑的なプレイヤーがちらほら現れましたが、大半のプレイヤーは計測法に関心が無く、すぐにはこの考えは受け入れられませんでした。

しかし月日が経ち、2013年頃に記録集積サイト『speedrun.com』が登場したことや、マリオ64の海外プレイヤーが急増したこともあり、2014年(?)頃にこの考えが受け入れられ、最終的に『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』という計測ルールが誕生しました。

このルールの誕生により、『リセットボタンスタート』が再復活し今日に至ります。

ちなみに、初ロゴ表示以降は環境関係なく同じタイムで動くので、ここが基準となっています。

むすび

まとめると以下となります。

  • 純粋なプレイ技術を競うためにその他の要素(環境の差異など)を排除した結果、『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』という計測ルールが誕生した。
  • 有名な『GV-USB2』というキャプチャーボードでは、1.33秒に初めてマリオ64のロゴが表示されるので、それを基準としている。
  • 初めてマリオ64のロゴが表示されて以降は環境関係なく同じタイムで動くので、ここが基準となっている。

今回話したマリオ64RTAの計測ルールの歴史は「こんなことがあったんだ」程度の認識でOKです。

『初マリオ64のロゴ表示 = 1.33秒』だけはしっかり覚えてくださいね!