【マリオ64 RTA】CCM 壁キックスターの安全ルートを模索してみた
さむいさむいマウンテンのかくれスーパーカベキック(CCM 壁キックスター)は、短いタイムで回収できるスターだ。
RTAでは、バク宙した後に壁キックするルートを使うのだが……。
壁キックが出ないと、そのまま転落して死んでしまう。
私は転落事故を見るたびに「転落を防げて同じぐらいのタイムが出るルートってないのかな」と思っていた。
そしてある時に、転落事故を防げるルートを模索してみたことがある。今回はその模索を語る。
結論を先に述べると、新たな発見は特になかったので、気楽に読んでほしい。
軽く歴史を振り返る
このスターは、昔、TAS・Non-TASに人気のあったスターとなっている。おそらく、速いタイム(10秒前後)でスターを取得できるからだと思う。
YouTube検索などで調べた限り、ワンスターを含めたルートの歴史は以下となっていた。
1番目: 一番下に降りて、三段ジャンプと壁キックを使うルート(旧RTAルート)
2番目: バク宙と壁キックを使うルート(現RTAルート) ※今回の基準はこれ
3番目: 一段ジャンプと壁キックを使うルート
現在: 床を抜けるルート
現在のRTAでは、
- メインカテゴリなどでは2番目のルートが主流
- ワンステージRTAでは3番目・4番目のルートもギリギリ視野に入るぐらい
となっている。
1番目のルートの考察
今回の目的は、
- 転落を防げる
- 現行RTAルートと同じぐらいのタイムが出る
の2つを満たせるルートを見つけることにある。
私は考察を始めた当初、「1番目のルート(旧RTAルート)で満たせるのでは?」という疑問が真っ先に頭に浮かんだ。
古いルートではあるが、技術やプレイヤーの動きが進化した今であれば、速くなる余地は十分にあると考えていたからだ。
ここから先のセクションで、各条件ごとに見ていこう。
『転落を防げる』の観点
1番目のルートは、最初にジャンプダイブで下に降りる。(以下の画像は1番目のルートの動画から)
このルートが主流だった時代は、ジャンプダイブでの転落を怖がり、ジャンプキックで下に降りていた。しかし、今のプレイヤーの実力であれば、ジャンプダイブでも転落することは滅多にないのではと思う。
以上から、『転落を防げる』という観点は合格だと思っている。
『現行ルートと同じぐらいのタイムが出る』の観点
タスを作ってみたところ、9.76秒カメラ×となった。
作りが雑なので、もう少し速いタイムが出せるかもしれないが……、まあ、大まかなタイムが分かれば良いだろう。
動画では完璧な着地キャンセルを決めているため、もしRTA通し中にこのルートを使った場合は、10.0秒よりは遅くなるのではないだろうか。
まとめると
以上より、1番目のルートを以下のように評価した。
- 『転落を防げる』という観点では合格。
- 現行RTAルートよりも1秒弱遅くなる。
- 難易度が低いので、一発通しで失敗したくないのであれば、このルートも有りだと思う。
壁キックを使わないルート案1
背景
私は各ルートを眺めて、「どのルートにおいても、下に降りるパートがミスりやすい(転落しやすい)のではないか」と思った。
そこで、ミスしにくい降り方を考えてみたところ、あるひとつのルートを思い出したのだ。
そのルートとは……、『ノンストップ70枚RTA』と呼ばれる特殊カテゴリのCCMのルートである。
上記動画を見ると、CCMの最後、滑りながら矢印コインに向かっているのが分かるだろう。
この滑るアプローチは、見た目が派手で難しそうに見えるが、実際やるとめちゃくちゃ簡単なので、ミスすることはまずない。
(以下の画像は上記動画から)
この滑るアプローチを利用してスターを回収するTASをどこかで見たことがあり、それを思い出しつつ参考動画を作成してみたわけだ。
実際作ってみた動画
(1) QJK→幅跳び→ダイブ復帰で下に降りる。
(2) 下に着地したらUターンする。
(3) 一旦壁側に向かって滑り、その後逆側に滑る。
(4) そのまま下に降りて斜面に着地。
(5) 少し上に登ってから左に滑ってジャンプし、スターのある足場に乗る。
(6) 二段ジャンプヒップでスタータッチ。
以上から、10.46秒カメラ×というタイムになった。
考察
タイムは10.46秒、つまり、旧RTAルート(9.76秒)より少し遅いらしい。
【追記】後日Non-TASで10.36秒が出たので、もう少し頑張れるかもしれない。
「改良すればもう少しだけ速くなるかも」と思った私は、YouTubeで動画を漁り、使えそうなアプローチを発見。
上記はタスクの結果動画で、タスクの内容は『CCM、壁キック禁止で壁キックスターを取得』というシンプルなものだ。
私が試した滑るアプローチのルートもあり、ステージインからのタイムは10.66秒となっていた。※動画に書いてある『9.30秒』は動き出しからのタイム。
序盤が少し違ったので以下で確認する。(画像は上記動画から)
(1) 幅跳び後、ダイブで足場に引っ掛ける。
(2) 着地前にダイブを出し、少し滑った後復帰。
こっちの序盤のほうが少し速いようだったが、試してみたところ、(2)の復帰の位置が分かりにくく難易度が高かった。
実際にRTAで使うのなら、私が作った参考動画のほうが良いと思う。
まとめると
以上より、壁キックを使わないルート案1を以下のように評価した。
- 『転落を防げる』という観点では合格。
- 現行RTAルートより2秒弱遅いのはちょっと痛いか。
- 以上から、わざわざ覚えて使うほどではないと思う。
壁キックを使わないルート案2
背景
実は先ほどのタスク動画の中で、気になるやり方がひとつあった。それは、以下のやり方だ。
(画像は上記で紹介したタスク動画から)
(1) ジャンプダイブで下に降りる。
(2) 着地キャンセル後、すぐに一段ジャンプ。
(3) キックを出して、そのまま二段三段ジャンプ。
このやり方は、『マリオ視点縛りRTA』という特殊カテゴリでも使われていた覚えがある。
この動画では、ステージインからのタイムで、9.63秒カメラ×という速いタイムが出ていた。
「人間でも速いタイムを出せるのでは」と思い、後半パートをRTAでできるようなアプローチに変えてみた。
実際作ってみた動画
(1) 前半パートは上と同じ。一段JKで足場に乗る。
(2) 少し歩いて幅跳び。
(3) 3回壁を蹴ってスタータッチ。
以上から、9.13秒カメラ×というタイムになった。
考察
意外と速いタイムが出るみたいだが、
- 着地キャンセル後、すぐに一段ジャンプ
- 壁キック3回全てが最速壁キック
なので、人間がやった場合はもう少し遅くなると思う。
一段JKで足場に乗るところが若干難しいのがデメリットか。うまく足場に乗れなかった場合でも死にはしないが、秒単位のロスが発生するだろう。
まとめると
以上より、壁キックを使わないルート案2を以下のように評価した。
- 『転落を防げる』という観点では合格。
- 『現行RTAルートと同じぐらいのタイムが出る』も合格。
- ただ、難易度が少し高いので、現行ルートのほうが良いと思う。
むすび
今回は、旧RTAルートを見直した後、壁キックを使わないルートを2つ考えてみたが、どれもRTAで採用するほどではなかった。
それだけ、現行ルート(バク宙ルート)が優秀なんだと思う。
一応、現行ルートで転落を防ぐ方法として『Aボタン連打安定法』が存在するので、知らない方は『かくれスーパーカベキック』で勉強してみてほしい。