てんくうのおやしき

2023年9月にRTAで実行可能なカーペットレスセットアップが考案され、導入されるようになりました。

当ページはそのセットアップを解説しますが、フレーム単位の入力を要求されるため上級者であることを前提としています。~中級者の方はこれまで通り『てんくうのおやしき+100枚コイン』の組合せをオススメします。

※スティック入力値に対するスティック角度を知りたい場合は『Stick角度変換シート』をコピーしてお使いください。

▼ カーペットレスセットアップの基本知識は以下にまとめました。

カーペットレスセットアップの概要

現在の120枚RTAでは『UDJ(Usamune Dezanig James)』『OJ(Orthogonal Jones)』『デザジョン/DJ(Dezanig Jones)』の三種類が使われています。

このうち、最も速く、メイン入力パターンに対するリカバリも存在するUDJが最上位勢の主流となっています。

※各セットアップの入力パターンは『Carpetless Dictionary』にまとめています。

以下の動画にて、カーペットレスセットアップの概要を紹介しています。UDJがなかった時期のものになりますので、その点ご留意ください。

カーペットレスセットアップの基本知識を学びたい方は『RRカーペットレスを学びたい方向け 基本知識まとめ』をご覧ください。

灰色足場までの区間

ステージ入場~灰色足場までの区間はこちらにまとめています。

コツ
1. 幅跳び最速壁キックアプローチで短縮
2. GWKアプローチで短縮


1. 幅跳び最速壁キックアプローチで短縮

ワープ後、幅跳び最速壁キックアプローチを使うと0.4秒程度の短縮になります。

リスクはありますが、RTAで導入可能な範囲なので、遅いペースの時に少しでも短縮したい場面などで使うと良いかもしれません。

以下の動画では、真上にQJK後、マリオ遠目+C左を押し真上幅跳びをするセットアップを用いていますが、

最初からマリオ遠目視点を使うセットアップも存在します。

 

2. GWKアプローチで短縮

灰色足場前にて、GWKを使ったアプローチがあります。

カメラセットアップ(半セットアップ)が存在すること・1.8秒程度も速くなることから、遅いペースの時やワンステージRTAなどで使うと良いかもしれません。

なお、上記動画では、小回りで幅跳びを出していますが、以下の動画のように大回りのほうが安定すると思います。こちらも参考にどうぞ。

UDJ(Usamune Dezanig James)の解説

2025年に考案されたRTA最速のセットアップです。基本的にハイハイ2f、ハイハイ1f1fでしか決まらないので注意してください。

入力パターンの有力候補は以下の表の通りです。

3列目にて、各入力パターンの最終入力におけるハイハイ共通のスティック角度範囲を紹介してますが、各ハイハイ独自の範囲も存在します。詳しくは『スティック角度範囲』をご確認ください。

種類 パターン 角度範囲(ハイハイ共通) 補足
メイン B0U12D7DR3
(2切替、猶予2f)
約37.95°~約46.65° 最後のDR3は右下よりやや上だと安全
メインリカバリ B0U12D8DRr2
(2切替、猶予2f)
約32.20°~約36.11° B0U12D7を通り越した時の中途半端入力リカバリ、右下より10°ほど上
B1リカバリ B1U11N3D7R1
(3切替、猶予2f)
真右 B1になった時の上下左右のみのリカバリ、ハイハイ2fのみ対応
B1リカバリ B1U12D6L3Rd1
(3切替、猶予2f)
約10.87°~約12.47° B1U11を通り越した時の中途半端入力リカバリ、ハイハイ2fと1f1fで中途半端入力の角度範囲が大きく変わるので注意

コツ
1. UDJのメリット
2. JK後のX座標と斜めくぼみに関する知識
3. 左上くぼみでハイハイ
4. 二段時のポーズタイミング(真上変更)

リカバリ
1. 灰色足場到着~三段までのミス時
2. 中途半端入力の注意点
3. ニュートラルポジションリセット法


1. UDJのメリット

以下がメリットであり、最上位勢の主流セットアップとなっています。

  • OJと比べ1.5秒程度速い。
  • OJやDJのようにカメラの回転を待たなくても良い・回転途中のカメラでセットアップを開始しなくて良い。
  • 特定の条件下だとハイハイのやり直しがすぐにできる。
  • メイン入力の1回目のGWKが最速壁キックなのでやりやすい(という意見もある)。
  • 最初がU12なので壁キックからポーズまでに余裕がある。

 

2. JK後のX座標と斜めくぼみに関する知識

JKで壁を蹴った後、通常だとX座標が-5759.371となります。

ただし、中途半端入力が入る場合は-5758.578と微妙にズレる形になり、結果として最後の斜めくぼみや中途半端入力のスティック角度範囲が多少変わります。

UDJを学ぶ際はこの点にも注意が必要です。

対策としては、『3. 左上くぼみでハイハイ』で紹介する左上くぼみを使う方法、2f時にポーズを入れて確実に中途半端入力が入らなくする方法、ズレる前提でスティックの入力角度範囲を覚える方法などがあります。

 

3. 左上くぼみでハイハイ

ハイハイする際、真左ハイハイだと中途半端入力が入り座標がズレてしまう場合があります。

真左よりも左上くぼみのほうが座標ズレしにくくなるといわれています(必ず回避できるわけではありません)。

 

4. 二段時のポーズタイミング(真上変更)

二段ジャンプ時にポーズを入れるタイミング(真上に切り替えるタイミング)は、右上の★マークを見るのが一般的です。

具体的には、★の左上端が屋根の模様と重なっていて、且つ、★の左下端が屋根の模様と重なっているポーズ画面になったら真上に倒します。

ポーズ画面1

ポーズ画面2


1. 灰色足場到着~三段までのミス時

灰色足場到着~三段ジャンプまでの間でミスした際、カメラがお屋敷の中に入らなかった場合(縦視点のままの場合)は、ジュゲム視点のまま左上端に崖掴まりし真上で壁を押せば再チャレンジできます。これがUDJの強みです。

一方で、カメラがお屋敷の中に入った場合は、マリオ近め視点で左上端に崖掴まりし真左で壁を押すと再チャレンジできます。ただしこの場合は、タイムだけで考えるとUDJをやり直すのではなくOJ/DJに切り替えるほうが速いです。

 

2. 中途半端入力の注意点

UDJは中途半端入力を用いるとリカバリを増やせますが、speedrun.comでは入力表示ツールに関するルールが設けられているため、スティックを倒す方向を覚える必要があります。

 

3. ニュートラルポジションリセット法

B0U12D8DRr2にて、ニュートラルポジションリセットを使った方法があります。参考にどうぞ。

また、ニュートラルポジションリセット法は汎用的に使える技なので、使える場所を探してみると面白いかもしれません。

MCdUDJ(Mario C-down Usamune Dezanig James)の解説

UDJの亜種として、マリオ遠目を使う『MCdUDJ』があります。

種類 パターン 補足
メイン B0U8L11DR2
(2切替、猶予3f)
斜めくぼみ有
メインリカバリ B0U9N4D7DR2
(3切替、猶予2f)
B0U8を通り越した時のリカバリ、斜めくぼみ有
メインリカバリ B0U9N4D8DR1
(3切替、猶予2f)
B0U9N4D7を通り越した時のリカバリ、斜めくぼみ有

MCdUDJと通常UDJとではそれぞれメリットデメリットがあるため、それらを考慮してセットアップを選ぶことをオススメします。

MCdUDJのメリットデメリット:

  • 三段までの入力が通常UDJよりもやや複雑(カメラを作る時の入力を正しく行わないと2回目の壁キックがGWKにならないので注意)。
  • 三段付近でミスした場合、カメラの仕様の兼ね合いで別のセットアップに切り替える必要がある。
  • くぼみ入力のリカバリが数多くあるため、中途半端入力のスティック角度範囲を覚えなくても良い。
  • メイン入力(B0U8L11DR2)に2つのリカバリ(B0U9N4D7DR2とB0U9N4D8DR1)があり、どちらもくぼみ入力である。
  • メイン入力(B0U8L11DR2)の2回目のGWKは猶予が3fもある。
  • 2回目のGWKを目視できないため、感覚での入力になる。
  • 2回目のGWK後、ジャンプダイブで屋根を滑る場合、約5f(0.16秒)分の処理落ちを減らすことができる。

通常UDJのメリットデメリット:

  • 三段までの入力がMCdUDJよりもシンプル。
  • 三段付近でミスした場合でも、同じセットアップで再チャレンジできる(別のセットアップを覚える必要が無い)。
  • くぼみ入力でないリカバリがやや多いため、中途半端入力のスティック角度範囲を覚える必要がある。
  • メイン入力(B0U12D7DR3)のリカバリがB0U12D8DR2(中途半端入力)しかない。

デザジョン/DJ(Dezanig Jones)の解説

OJの三段部分をポーズで固定化したのがデザジョンです。デザジョンには、1回目のGWKにてB1を狙う『DJ Early』とB3を狙う『DJ Late』があります。

基本的にハイハイ2f、ハイハイ1f1fでしか決まらないので注意してください。

以下が解説動画(動画時間4分29秒~)となりますが、UDJ登場時に斜めくぼみを用いたリカバリ入力も考案されました。現在はDJ Lateのほうが優秀だといわれています。

※どうしてもUDJが覚えられない場合/安定しない場合は、OJよりもデザジョンを覚えるほうが良いと思います。

基本知識
1. OJと比較した時の特徴
2. DJ Lateの入力パターン一覧
3. DJ Earlyの入力パターン一覧
4. 三段までの最適化


1. OJと比較した時の特徴

デザジョンは、OJよりタイムは遅くなりますが、三段部分でのミスを減らすことができる点・リカバリ入力が比較的多い点がメリットです。

一方でデメリットは、ハイハイ2f・ハイハイ1f1fにしか対応していない点です。

それがゆえに、基本はデザジョンを狙い、ハイハイで3f1fや1f2f1fになった場合はOJに切り替える戦法もありました。

ちなみに、DJ Lateは、リカバリ入力が多い一方で、最初が手前止め(U7)であるためU7以降もAボタンを押しっぱなしにしなければならない点がデメリットといえます。

 

2. DJ Lateの入力パターン一覧

DJ Lateの入力パターンの有力候補は以下の表の通りです。

種類 パターン 補足
メイン B3U7L12DR3
(2切替、猶予2f)
斜めくぼみ有
メインリカバリ B3U8N7D6R1
(3切替、猶予2f)
B3U7を通り越した時のリカバリ、上下左右のみ
メインリカバリ B3U9L6D5DR1
(3切替、猶予2f)
B3U8を通り越した時のリカバリ、斜めくぼみ有
B4リカバリ B4U8L8D4R1
(3切替、猶予2f)
B4になった時のリカバリ、上下左右のみ
B4リカバリ B4U9L5D6DR1
(3切替、猶予2f)
B4U8を通り越した時のリカバリ、斜めくぼみ有。ハイハイ2fのみ対応
B4リカバリ B4U7L11DL2R1
(3切替、猶予2f)
B4U8の1f前で止めた時のリカバリ、斜めくぼみ有。ハイハイ1f1fのみ対応

以下動画でDJ Lateの斜めくぼみが紹介されています。

 

3. DJ Earlyの入力パターン一覧

DJ Earlyの入力パターンの有力候補は以下の表の通りです。

種類 パターン 補足
メイン B1U13D8R1
(2切替、猶予2f)
上下左右のみ
B2リカバリ B2U11R2D8R1
(3切替、猶予2f)
B2になった時のリカバリ、上下左右のみ
B2リカバリ B2U12D4L1D4R1
(4切替、猶予2f)
B2U11を通り越した時のリカバリ、上下左右のみ
B2リカバリ B2U12D2N1D5DR2
(4切替、猶予2f)
B4U11を通り越した時のリカバリ、斜めくぼみ有。1f送りがあるがN1なのでB2U12D4L1D4R1のL1よりはマシ

 

4. 三段までの最適化

OJ・デザジョン共通ですが、三段までを最適化することができます。

崖掴まり時にRを2回押すことで垂直カメラを早く作る・壁をJKで蹴った後にカメラの回転を待たずにハイハイを開始する・パンチを最後まで待たずにJKを出す、が主な最適化ポイントとなります。

以下が最適化版の参考動画です。※OJの動画ですが、途中までは共通パートとなります。

OJ(Orthogonal Jones)の解説

UDJ登場前、最上位勢の主流だったセットアップです。

以下が解説動画となりますが、UDJ登場時に中途半端入力を用いたリカバリ入力が考案されたため、OJを採用する場合はそちらも一緒に覚えることをオススメします。

※現在はOJを覚えるメリットはほぼありません。UDJもしくはDJを覚えることをオススメします。

基本知識
1. OJの入力パターン一覧
2. 三段までの最適化


1. OJの入力パターン一覧

OJの入力パターンの有力候補は以下の表の通りです。

種類 パターン 補足
メイン B3U12D8R2
(2切替、猶予2f)
上下左右のみ
メイン保険 B3U11R2D8R1
(3切替、猶予2f)
B3U12を狙った際に1f早く止めてしまった時の保険用、U11から1f送りするよりもR2の2f送りのほうが簡単であるため
B2リカバリ B2U12D4L1D4R1
(4切替、猶予2f)
B2になった時の上下左右のみのリカバリ
B2リカバリ B2U11R2D8Rd1
(3切替、猶予2f)
B2になった時の中途半端入力リカバリ、真右よりちょい下。ハイハイ2fと1f2f1f対応
B2リカバリ B2U11R2D8R1
(3切替、猶予2f)
B2になった時の上下左右のみのリカバリ。ハイハイ1f1fと3f1f対応

以下の動画でB2U11R2D8DR1と紹介されているのがB2U11R2D8Rd1です。

 

2. 三段までの最適化

OJ・デザジョン共通ですが、三段までを最適化することができます。

崖掴まり時にRを2回押すことで垂直カメラを早く作る・壁をJKで蹴った後にカメラの回転を待たずにハイハイを開始する・パンチを最後まで待たずにJKを出す、が主な最適化ポイントとなります。

以下が最適化版の参考動画です。

参考動画(Streaks動画)

以下がKANNO氏によるStreaks動画です。入力の参考にどうぞ。