【マリオ64 RTA】120枚RTAにて、2階カギ扉タッチまでの世界最速が更新された件
2020年07月23日。120枚RTAにて、前半パートにあたる『2階カギ扉タッチまで』の世界最速タイムが更新された。
タイムは1:02:51で、プレイヤーはバトラ氏。
世界記録が更新されたわけではないので、大したことではないように感じた方もいるかもしれない。しかし、今回の記録更新は、マリオ64RTA界にとっては大きな意味があったのだ。
今回は『1:02:xx台を出すことの難しさ』を理解してもらった後、『今回の記録にどんな意味があったのか』を語ろう。
実は1:02:xx台達成者は1名しかいなかった
意外な話かもしれないが、今までは、現世界記録保持者であるSimply氏しか1:02:xx台を出したことがなかった。
その最速タイムは1:02:56。同氏は過去に3回 or 4回だけ1:02:xx台を出したことがあり、そのひとつがこの記録となっている。
その他のプレイヤーは、1:38台を狙えるプレイヤーでも1:03:00台がベストであり、「2階カギ扉タッチまでで1:03:xx前半が出ていればかなり速い」というのが現在の指標となっている。
これは、世界で達成者が3名しかいない1:38:xx台の記録からも分かると思う。
「世界で1名しか達成者がいなかった」「1:03:xx前半でかなり速い」――これら事実だけで、1:02:xx台を出すことの難しさが分かるはずだ。
そんな中で叩き出された『1:02:51』という記録。人によっては、「5秒更新されたぐらいで大げさな!」と思っているかもしれない。
でも、今回の記録は、ただ単に世界最速を5秒更新しただけにとどまらず、“とある可能性を示してくれた"、そんな記録だったのである。
1:37:xx台が現実味を帯びてきた!
今回の記録が示してくれた可能性――。それは、『1:38:00の壁を破れるかもしれない』という可能性である。
120枚RTAでは、
- 前半パート: ロビー・地下ステージ全攻略にあたる『最初~2階カギ扉タッチまで』
- 後半パート: 2階・3階ステージ全攻略にあたる『2階カギ扉~大スタータッチまで』
というように、2大区間に分けてタイムを見ることが多い。
今までは、この2パートの世界最速を合算すると『1:38:03 (= 1:02:56 + 35:07)』だったのだが……。
今回の記録更新により、ついに1:37:xx台に乗ったのだ!
そのタイムは『1:37:58 (= 1:02:51 + 35:07)』。ようやく、1:37:xx台が現実味を帯びてきたのである。
特筆するべき点はこれだけではない。
Simply氏が持つ1:02:xx台の記録は、序盤の『ボムへいのせんじょう終了時(26枚目)』が23:00台となっている。(世界最速は22:57)
これは非常に速いタイムであり、「ボムへいのせんじょう終了までが速いから、2階カギタッチまでも速い」という見方ができた。
一方で、今回のバトラ氏の記録は、ボムへいのせんじょう終了が23:20。ここから1:02:xx台が出ているため、まだ10秒以上短縮できる余地があるのだ。
つまりは、『2階カギ扉タッチ1:02:40台』も夢ではなく、そういう意味でも、1:37:xx台へ大きく一歩前進が見られた走りだったわけだ。
これら事実から、「今回の記録が如何に意味のある記録だったのか」が分かるのではないだろうか。
むすび
残念ながら、バトラ氏はこの1:02:51の走りで記録を出すことができなかった。
しかし、前半パートの世界最速更新により、1:37:xx台の可能性が見えてきたので、ワクワクさせてくれた走りだったと思う。
2020年終了までの間、世界記録がどこまで伸びるのかだけでなく、「大区間合計の理論値がいくつになるのか」にも注目したいところだ。