【マリオ64 RTA】70枚RTAの新世界記録で新moving redsが使われていた件
2020年5月14日。
Dwhatever氏によって70枚RTAの世界記録が更新された。タイムは47分04秒08。
47分切りを達成したわけではないこの記録だが、ペースが少し遅かったために、チックタックロックにて少し面白いルートを使っていたのだ。
一体どんなルートを使っていたのだろうか。
使われたのは新moving reds!
さっそくネタバレから。
今回の世界記録の動画では、なんと、仕掛けを動かしながら赤コインスターを回収する『moving reds』の新バージョンが使われていた。
「新moving redsって何?」という方がいるかもしれないので、まずはこのルートを確認してみよう。(画像はDwhatever氏の記録動画から)
(1) 仕掛けスピード"高速"で入場
(2) 正面にジャンプダイブ
(3) 下の足場に降りた勢いで三段ジャンプ
(4) 2枚の赤コインを回収したら右下の仕掛け足場に降りる
(5) 反転壁キックで一番上の仕掛け足場に乗る
(6) あとは残りの赤コインを回収してスタータッチ
この新moving redsは2019年2月に私が発案したものだ。
難易度はさほど高くないのだが、失敗すると大幅ロスになってしまうので、発案当時は「これはまだ70枚RTAでは厳しいだろうな~」という感じだったのだが……。
47分切りが見えたあたりから、Dwhatever氏は、ペースが遅い時にこのルートを使うようになってしまったのである。
普通のmoving redsでどれぐらい速くなる?
「チックタックロックのmoving reds」と聞くと、大半のプレイヤーは以下の動画のほうを想像するだろう。
このmoving redsでも、仕掛け停止の赤コインより速いタイムになるのは多くの方がご存じだと思う。
具体的なタイムとしては、moving redsの理論タイムは15.10カメラ×であり、入場時間を含めると1.5秒程度速くなる。
- moving reds: 15.10x + 0.00 = 15.10秒
- 仕掛け停止の赤コイン: 14.46x + (3.83 – 1.70) = 14.46x + 2.13 = 16.60秒
- 差: 16.60 – 15.10 = 1.50秒
では、Dwhatever氏が使っていた『新moving reds』はどれぐらい速いのか。次のセクションで確認してみよう。
新moving redsでどれぐらい速くなる?
新moving redsは、先のセクションで紹介したmoving redsと同じ仕掛けの周期であるものの、上から降りることで(同じ周期でも)より速く進めるようになったものである。
このルートにおける『赤コイン5枚目~スタータッチ』のアプローチはいくつかあるのだが、オーソドックスなのは最後に幅跳びを使うアプローチだ。
このアプローチにおける新moving redsの理論タイムは14.40カメラ×。
つまり、普通のmoving redsと比べると0.7秒速く、普通の仕掛け停止赤コインと比べると2.2秒程度速い。
これだけ聞くと、「じゃあ新moving redsを使ったほうが良いじゃん」となるが、実はこのルートには1つ弱点があるのだ。
新moving redsの弱点
新moving redsの弱点、それは、赤コイン5枚目の足場にうまく乗れずに転落しやすいところだ。
赤コイン5枚目の足場にて、腹滑りモーション(以下の画像)になれば問題ないのだが、こうならずにケツ滑りなどになって転落しやすいのである。
ここさえ改良できれば、新moving redsはかなり実用的になるが、残念ながら改良案が見つかっていないのが現状だ。
そのため、私としては、「『ここで転落するリスクに対し2.2秒』だと高リスク低リターンなのでは」と思っているのだが、その一方で、Dwhatever氏は70枚RTAで(ペースが遅いときだけ)このルートを使っているのである。
こう考えると、新moving redsは、現在の70枚RTAがどれだけ煮詰まっているかが分かるスターなのかもしれない。
ちなみに、新moving redsは、普通のmoving redsの区別するため、発案者の名前を取って『usamune moving reds』と呼ばれている。
『どのような過程でusamune moving redsが生まれたのか』などは、以下の2枚の記事で語っているので、興味の湧いた方は読んでみてほしい。
むすび
今回は、47分切りまであと一歩のところまで来ている70枚RTAの変化を取り上げた。
2020年に入り、120枚RTA・16枚RTAと立て続けに壁を破るような世界記録が達成されたため、「残るは70枚RTAの47分切り!」という感じで日に日に注目が集まりつつある70枚RTA。
47分切り達成をリアルタイムで見たい方はぜひ、Dwhatever氏の配信を視聴してみてほしい。
最近はほぼ毎日記録狙いをしているので、適当な時間に配信を開けば、視聴できるはずだ。